一般的にたこ焼き屋は「儲かる商売」として知られています。メリットを挙げるとするならば、以下のようにいくらでも出てきます。
つまりは、小資金で利益率の高いビジネスモデルであり、幅広い客層に商品をアプローチ出来るというわけです。
もちろん、前提として味には一定のクオリティが求められたり、良い立地に店舗を構える必要があるなど、成功するにはいろいろな要素が大切になってきます。
このページでは、たこ焼き屋を開業する手順から成功するためのコツ、さらには失敗事例まで、開業・独立を考えている方に役立つ情報をお届けいたします。
目次
・【方法と手順】たこ焼き屋を開業するには?
・たこ焼き屋の開業資金と融資について
・開業に必要な手続き(資格や届け出)について
・たこ焼き屋経営は儲かる?平均年収を調査
・人気店となり成功するためのノウハウ
・たこ焼き屋開業後の失敗事例から学ぶ
・移動販売(屋台)スタイルでの開業について
・フランチャイズに加盟して独立するという選択肢
・まとめ
未経験者がたこ焼き屋での開業を目指す場合、以下3つのルートが存在します。
たこ焼き屋さんに弟子入りし、たこ焼きのイロハを勉強した後、独立します。
弟子入りすることによって、たこ焼きの作り方、経営のノウハウなどをマスターしていきます。
たこ焼き屋経営で既に成功しているチェーンに加盟します。
既に世間に受け入れられている味で勝負が出来、経営ノウハウも伝授してもらえるため、一番手堅い方法といえます。
但し、その見返りとしてロイヤリティ(契約料)を支払う必要があります。
自分でたこ焼きの味を研究し、開業を目指します。最低限、若竹学園などのスクールでたこ焼きの作り方の基礎を学んでおくと良いでしょう。
ただ 、おいしいたこ焼きは一朝一夕にできるものではありません。
さらには、利益を出すための経営ノウハウも勉強する必要があります。簡単な道ではありません。
どのルートを選択するにしても、たこ焼きの味と出店する立地条件が重要になります。
その意味において、加盟の有無に関わらず、フランチャイズ展開をしている企業の「フランチャイズ募集資料」はおおいに参考になります。
フランチャイズ展開を行っているということは、既にビジネスモデルとして成功しているということ。
企業が作成している「フランチャイズ募集資料」においては、「なぜ自社の商品が世間に受け入れられているのか」や「収益モデル」、「経営方針」などが記載されているのです。
資料は無料で取り寄せられるので、気になる企業を見つけたら、どんどん取り寄せてみましょう。結果として、フランチャイズに加盟するという判断に傾くかもしれません。
フランチャイズ募集資料は以下のサイトから取り寄せることが出来ます。
・フランチャイズの窓口
予算や目的、業種など自分の希望を入力するだけで、厳選されたフランチャイズの本部の募集情報を比較出来る。気になる会社については、無料で資料請求できる。
・BMフランチャイズ
成長力の高いフランチャイズ本部をセレクトして、簡単に比較出来るようにしているサービス。常時100件以上のフランチャイズが掲載され、無料で資料請求が出来る。
・フランチャイズサポート
独自のノウハウにより、『知る人ぞ知る会社』から『超人気会社』まで、厳選した企業様のみを紹介。多くのユーザーの独立・起業をサポートした実績がある。
たこ焼き屋を開くまでに、いくつかの工程をオープン日までに同時並行ですすめていかなければいけません。
ここでは、各工程の手順をリストアップしています。各作業をチェックしながら準備を進めていきましょう。
たこ焼き屋をオープンさせる時期を考えるのであれば、秋が絶好のシーズンです。夏から屋号・コンセプト等を考える。9月に店舗を見つけ10月後半にオープンこれが理想です。
9月がよい理由は、8月は売上が上がると期待していた多くのお店が夢やぶれ、9月に閉店する傾向があるため。つまりは、空きテナントが増える時期なのです。
9月に契約して店を改装する。運がよけれ居抜きで、レイアウトを変え看板を付け替えるだけで開業できるケースもあります。
秋から冬にかけてはたこ焼き屋は一年で一番の繁忙期に入ります。
他の業態に比べて小資金で始められるのが、たこ焼き屋ビジネスの特徴。それでは実際にどのくらいの金額がかかるものなのでしょうか?
もちろん、どのような店舗を持つかによっても資金額には大きな幅が出てきますが、以下の表を目安にしてみてください。
項目 | およその金額 | 特筆事項 |
---|---|---|
小道具一式 | 25,000円 | |
焼台一式 | 30,000円 | |
調理台、棚 | 30,000円 | |
冷蔵庫、冷凍庫 | 60,000円 | 市販の家庭用のものでも可 |
二層シンク | 28,000円 | |
外装工事 | 120,000円 | 清潔感と間口を広く取ることがポイント |
内装工事 | 250,000円 | 水道まわり、ガス、電気の配線など |
メニュー | 100,000円 | 拡大プリントアウト+ラミネートがお得 |
保健所の営業許可申請 | 200,000円 | テイクアウトの場合、喫茶営業の許可証 |
屋内外照明 | 60,000円 | たこ焼きを照らす証明や看板証明 |
パネルのメニュー板 | 30,000円 | |
テント | 200,000円 | |
提灯やはだか電球 | 40,000円 | |
置き形看板 | 60,000円 | |
のぼり | 15,000円 | |
制服 | 10,000円 | |
固定電話 | 5,000円 | 毎月の固定経費 |
初期材料 | 80,000円 | 過剰在庫は避ける事 |
店舗初期経費 | 1,000,000円 | 大きさや立地により変動あり |
合計 | 2,343,000円 |
200万円台で店舗を出せるというのは、印象業全般の相場から考えると相当安いですね。
一番かかるのは、店舗初期経費ですが、中には自宅を改装して開業する方もいらっしゃいます。
さらに経費を抑えるのであれば、屋台で運営するという方法もあります。屋台の場合、100万円程度で済むでしょう。但し、販売場所の確保が重要です。
加えて、数か月分の運転資金を用意しておくと、不測の事態が起きた時でも安心です。
飲食業において、個人が融資を受ける方法はいくつか挙げられます。融資の手段を挙げてみたので、最適な方法を選んでみてください。
親族や知人からの融資 | 後々トラブルにならないよう、正式な契約書を作成しておく |
---|---|
共同経営による融資 | 引き揚げ時の取り決め等予め決めておく |
民間金融機関からの融資 | 銀行や信用金庫など。実績がないと厳しい |
公的金融機関からの融資 | 日本政策金融公庫を利用するケースは多い |
各自治体の制度融資 | 融資自体は自治体が提携する金融機関から行われる |
補助金や助成金 | 必要経費の一部を負担するスキーム |
ベンチャーキャピタル | 株式公開を前提とした事業の場合 |
たこ焼き屋の開業で必須となる資格はただ一つ、「食品衛生責任者」のみ。保健所から営業許可をもらう際に必要になります。
また、「調理師」の資格を持っている方は、食品を衛生的に取り扱う知識があるということになり、開業時にはそのまま食品衛生責任者として認められます。
持っていない方でも、保健所などで1日講習を受ければ取得出来るようになっています。
個人が開業する場合に、必要な提出書類リストをまとめています。
消防署に関しては、通常は施工業者が提出するので、業者に確認するようにしましょう。
提出先 | 提出書類 |
---|---|
保健所 |
・営業許可申請書 |
消防署 |
・防火対象物使用開始届出書 |
税務署 |
・開業届出書 |
市町村役場 | ・事業開始等申告書 |
年金事務所 |
※従業員5人以上は加入、5人未満は任意 |
ハローワーク |
※従業員を雇用する場合 |
労働基準監督署 |
・保険関係成立届 |
たこ焼き屋の開業を検討している方にとり、気になる点の一つは、「どの位の儲けが出るのか?」という事になるでしょう。
そこで、たこ焼き屋経営で目安となる月間収支モデルを提示いたします。
売上 | 2543,000円 | 400円×100個×30日 |
---|---|---|
原材料・包装費 | 966,340円 | 売上の38% |
家賃 | 100,000円 | |
水道光熱費 | 75,000円 | |
人件費 | 150,000円 | アルバイト |
電話代等その他 | 100,000円 | |
経費合計 | 1,391,340円 | |
利益 | 1,151,660円 | 売上-経費合計 |
上記のモデルケースでは月の利益は100万円以上。
初期費用の200万円はすぐに元が取れてしまい、「儲けが出やすい商売」ということがこれだけでもおわかり頂けると思います。
小コストで利益率が高い。繁盛している有名店クラスなら、年収1000万円を超えるたこ焼き屋オーナも珍しくないのが実情です。
利益を左右する点は、「毎日たくさん売れる魅力的な商品と好立地」「毎月の固定費を抑えたオペレーション」の2つになります。
参考として、フランチャイズ募集を行っているたこ焼き屋が開示している収支モデルも確認してみましょう。
プロの職人技を伝授するシステムで、商業施設や百貨店などで出店している頑固蛸(2017年5月時点でフランチャイズの窓口で募集)を取り上げてみます。
売上高 | 4,000,000円 | 年商200億規模のショッピングセンター内、出店時の想定 |
---|---|---|
食材費 | 1,200,000円 | |
人件費 | 800,000円 | |
諸経費(家賃含む) | 888,000円 | |
経費合計 | 2,888,000円 | |
利益 | 1112,000円 | 売上-経費合計 |
先述した月間モデルケースと利益額はほぼ同じですね。但し、好立地のため売上が多い分、経費もそれなりにかかっています。
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たこ焼き屋を開業して繁盛させるためのヒントを挙げています。ご参照ください。
やはりたこ焼き屋を成功させる上で一番重要なポイントはお客さんに好まれる看板商品を作ることでしょう。
例えば、チェーン展開している築地銀だこは定番メニューに加え、季節のメニューも用意しています。
他の料理との組み合わせだったり、生地(ふわふわ系が人気)だったり、タコの素材だったりと、全ては創意工夫にかかっつています。
何よりも妥協せず、自分自身が納得する商品を完成させましょう。
立地場所は売上に大きな影響をもたらします。商圏として成り立つ場所を選定するようにしましょう。
立地を判定する際の基準となるのは以下の5つ。
もちろん、賃料も考慮しなければいけません。
とはいえ、一番良いのは、商品が魅力的でどの場所に構えても遠方からでもわざわざ来てくれること。
最終的な理想形ではありますね。
たこ焼きを焼いている間に、待っているお客さんとの軽快なトークを展開する技術も商売繁盛の秘訣となります。
中には、職人さんとの楽しい会話を求めて、たこ焼きを買いに来るお客さんもいるほどです。
トーク術の勉強をして、リピート客を増やす努力をしてみましょう。
プロモーション活動において、インターネットを有効活用すると、コスト効率良く宣伝出来ます。
チラシなどの紙メディアに比べて圧倒的に安上がりで、商品が良ければツイッターなどのSNSで口コミが拡散する場合もあります。
最低限、お店のホームページは持っておきたいところ。将来的にはオンラインショップ展開も考えたいですね。
最近は格安でホームページを作れるサービスがあるので、活用しない手はありません。
先ほどツイッターのお話をしましたが、今は良くも悪くもインターネットを通じて情報がまたたく間に広まる時代になりました。
そして、非日常性のあるちょっとした驚きがある内容が広まりやすい傾向があるのです。
お店の知名度を高めて多くのお客さんに足を運んでもらうために、ちょっとしたサプライズをしかけてみると良いでしょう。
例えば、夏場は「冷たいたこ焼き」が話題になりますし、ユニークなキャンペーンを打つという手もあります。
お伝えしたように、たこ焼き屋の経営は比較的儲けが出やすい商売とされています。しかしながら、ビジネスである以上失敗する可能性もゼロではありません。
ここでは、たこ焼き屋の運営で閉店した時の理由をいくつか取り上げていきます。
調理の難易度はそれほど高くはなく、練習すれば短期間で誰でもうまく作れるようになります。
たこ焼き屋の仕事は、とにかくおいしいたこ焼きを量産すること。来る日も、来る日もたこ焼きを作り続けます。
営業時間中はほぼ立ちっぱなしで、体力勝負の一面があるのです。さらに、外の熱気と鉄板の熱気で夏はとにかく暑くなります。
自分が実際に厨房に立つ場合、元々体力があまりない人は、過酷な労働環境にめげてしまう可能性があります。
元々、たこ焼きは原価が低いので、食材が多少値上がりしてもそれほどダメージは受けません。
利益を圧迫する最も大きな要因となり得るのが、店舗の家賃の値上げになります。
特にオーナーが変わったりすると、大幅に値段が上がって一気に利益が縮小するというケースがあるようです。
現在の店舗の家賃が高くなった場合に、どのような対応をするかといった想定はしておくべきです。
単純に「人が多いから」という理由だけではなく、「たこ焼きを買ってくれる層がいるか」「たこ焼きを買うシチュエーションに最適な場所か」といった状況も加味して判断する必要があります。
開業してみたものの、「お店の前の人々を見ると、みんな忙しそうでたこ焼きを買う時間の余裕がなさそう」という状況に気付くこともあるのです。
例えば、仕事帰りのサラリーマンや買い物帰りの専業主婦が家族のお土産に買うのにちょうど良い場所があります。
商品の評判が確立していない開業当初は立地場所の影響は大きいので、慎重に検討するべきです。
たこ焼き屋経営のスタイルとして店舗販売の他に、移動販売のスタイルがあります。
元々小資本で開業出来るのが、たこ焼き屋業態の良い点ですが、移動販売車を使うとさらに資金は少なくて済みます。
移動式販売のスタイルを導入には、以下のメリット・デメリットが挙げられます。
収入の波が出てしまうものの、経費がより探し、より販売しやすい場所探しにチャレンジ出来るという点が魅力。
移動者は新車で200万円、中古で100万円程度で購入出来ます。中には30万円位で購入した方もいます。
たこ焼き屋の移動式販売を行うにあたり、各種手続きを行う必要があります。
店舗型と同様、営業許可は保健所に申請します。
申請書類も店舗型と同じなのですが、許可を得るために、移動車の設備を整える改造をしなければいけません。
例えば、保健所がチェックするポイントは以下の通りとなります。
それぞれの基準は、自治体によっても差があるため、予め保健所に確認をしておくと良いでしょう。
道路上で販売を行う場合、「道路交通法・道路法」という法律により、管轄の警察署長に道路使用許可を申請する必要があります。
屋台・移動販売の場合3号許可になり、2千円程の手数料がかかります。
公園内で販売する場合、「都市公園法」という法律により、管轄の地方公共団体、国土交通省に申請する必要があります。
許可されるには、以下の条件をクリアすることが条件です。
但し、実際はなかなか許可がおりないのが現状です。
移動式販売を行う際、最も苦労するのが販売場所の確保になります。
最も利用的なのはスーパーなどの敷地内で販売をするスタイル。この場合、場所代として売上の3〜10%をスーパー側に支払う必要が出てきます。
また、見ず知らずの人がお願いして、簡単に販売許可が出るほど甘くはありません。ある程度人脈だったり、コネが大切いなったりするのです。
実施前に、確実に借りられる場所を複数確保しておくことをおすすめいたします。
たこ焼き屋を開業するための3つの方法について先述しましたが、ここでは、「フランチャイズに加盟する」という選択肢について取り上げてみたいと思います。
まず、フランチャイズに加盟すると以下のような支援を受けることが出来ます。
既に成功したビジネスモデルや商品、ブランドを利用出来るという点が大きいですね。対価として加盟店はフランチャイズ本部にロイヤリティ(契約料)を支払う必要があります。
ここに一つ興味深いデータがあります。それは、生存率に関するデータです。
中小企業庁が出している『中小企業白書』によると、個人で独立・開業したお店が5年後も継続している確率はたったの約25%。そして、10年後となると約10%にまで激減してしまうのです。
これに対して、フランチャイズ加盟店が5年後に生き残っている確率は約70%(社団法人日本フランチャイズチェーン協会「各年度のフランチャイズチェーン店舗数の統計データ」と、経済産業省の「我が国のフランチャイズの現状」の中のフランチャイズの廃業率を元に推計)。
圧倒的にフランチャイズ加盟店の方が生存率は高いのです。
「個人商店がチェーン店に押されて廃業する」というニュースはよく聞きますが、実際にデータとなって表れているというわけですね。
特に飲食店経営の経験がない方は、フランチャイズ加盟も選択肢の一つに入れて検討をするべきです。
実際にフランチャイズ募集を行っている会社をリストアップしてみました。
頑固蛸 |
・生地、オイル、ソース、青のりなど素材にこだわりを持つ |
---|---|
築地銀だこ |
・「皮はパリッと、中はトロッと、たこはプリッと」焼き上げたたこが特徴 |
大阪やき三太 |
・開業資金を極力抑え、ロイヤリティもゼロ。本部は材料仕入れだけのスキーム |
元祖東京いか焼き |
・利益率72%。オーナーの半数以上が女性 |
フランチャイズ募集を行っている企業は、下記のサイトから最新の情報をチェックすることができます。まずは資料請求してみましょう。
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年収1000万円も目指せる、FC募集企業を豊富に用意。「低コストで安定した高収入を得たい」という方に向け、オススメのFC企業を紹介しています。
成長力の高いフランチャイズ本部をセレクトして、簡単に比較出来るようにしているサービス。常時100件以上のフランチャイズが掲載されています。
資料からは、各企業がどのような売り方で成功しているのか、どのような収支モデルになっているのかなどを把握することが可能。
業界研究にうってつけであり、フランチャイズ加盟を検討するうえでの貴重な材料となります。
どんなビジネスにいても、成功・不成功はあります。
そのような状況下において、比較的成功確率が高いとされているのが、たこ焼き屋ビジネスです。いわゆる「粉モノ」であり、利益率が高い商売であるためです。
たこ焼き屋のフィールドで成功するコツは、コストを出来るだけ下げて、売上を伸ばせる看板商品を作る事。
課題点が明確であるだけに、取り組みやすい業態といえるでしょう。
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