原価を安く抑えられ、利用者の多さから高い収益性が見込まれるとされているのが、インターネットカフェ・漫画喫茶の経営です。
しかしながら巷では潰れているお店もあるわけで、経営の実態はどのようになっているのか気になるところ。
ここでは「インターネットカフェ・漫画喫茶を開業して、運営してみたい」と考えている方に役立つ、リアルな情報をお届けします。
目次
インターネットカフェと漫画喫茶の経営に関し、業界特有のメリットとデメリットが存在します。
永続的に運営を行うのであればメリットを伸ばし、デメリットを減らすことが必要。
まずはこの両面を把握しましょう。
一般的なカフェの開業では他のカフェとの差別化を図るために、さまざまな種類の飲料や料理を提供することになります。
そのために毎日のようにたくさんの食材の仕入れが必要になりますが、その手間と原価が結構かかります。
一方インターネットカフェや漫画喫茶では、フリードリンク制になっているカフェが多く、凝った料理を提供する必要もありません。
そのため開業時に一度設備を整えれば新たに仕入れる物が少なく、高い利益率を維持することが可能になります。
フリードリンク制の仕組みが示すように、インターネットカフェでは一度入店してしまえば、後はセルフサービスが基本です。
利用客は自分でパソコンを利用したり、マンガを読んだり、飲み物を取りに行ったりします。
店員がサポートしなくとも、利用者が自由にカフェで楽しむことができるのです。
このため低賃金のアルバイトなどを雇うことで、高い利益率を目指した経営が可能になります。
インターネットカフェは特定の時間帯に偏らず、深夜でも集客力があり長時間営業ができます。
日中だけの営業であるカフェに比べ、単純計算して1日2倍の売上を出せるのです。
またリピート客の比率が高いことも業界の特徴。
利用者が満足する良質なサービスが提供できれば、安定した収入が期待できます。
開業後は大きな設備投資は必要ありませんが、開業するにあたってまとまった額が必要になります。
PCや漫画本を揃えることになり、漫画は20坪程度の店舗でも1万2千冊は必要。
そのため初期費用の詳細は後述しますが、どんなにコスト削減しても1,500万円はかかります。
相場としては3,000万円から5,000万円は必要で、誰でも簡単に開業できるわけではありません。
現在ネットカフェ・漫画喫茶は、出店が乱立したことですでに淘汰の時代に入っています。
その中で優位性を保つのであれば、料金面や設備の充実度で差をつけなければいけません。
他店より料金を安くし、最新の人気コミックや雑誌をどんどん投入するのです。
そうなるとやはり資本力のある大手チェーン店が強力で、個人経営ではなかなか立ちいかなくなっています。
簡単に参入できる状況ではなくなってきているということは、認識しておくべきです。
漫画喫茶であれば、漫画を盗む利用者が出てきます。
そうなると再度漫画本を買い直す必要があり、それが積み重なればコストも馬鹿にできません。
盗難リスクを防ぐシステムを導入する必要があり、防犯設備のためのコストもかかります。
ネットカフェ・漫画喫茶の店舗を運営するにあたっての収益モデル事例を記載します。
利益を出すイメージを、ここでつかんでください。
・客席数50席・テナント坪数70坪
・利用料金は1時間300円
・24時間営業
・稼働率60% 50席×60%=30人
・30人×1時間300円×24時間=216,000円
・フードの1日の売上想定を1万円とする
→1日の売上想定は、226,000円(216,000円+10,000円)
→1ヶ月の売上想定は、6,780,000円(226,000円×30日)
・家賃は月140万円(駅近物件を想定し、坪2万円)
・平均単価400円の新刊や雑誌を毎月300冊追加購入=120,000円
・フードの1日の原価を3,000円(30%)とする
・ドリンクの原価を毎月の売上の5%とする=339,000円(6,780,000円×5%)
・人件費は、2名体制で時給千円とする=1,440,000円(2人×1,000円×24時間×30日)
・通信費を売上の3%とする=203,400円(6,780,000円×3%)
・光熱費を売上の5%とする=339,000円(6,780,000円×5%)
・雑費・消耗品費を売上の6%とする=406,800円(6,780,000円×6%)
・広告費を3%とする=203,400円(6,780,000円×3%)
・毎月の償却を100万円とする
売上項目 | 売上額 |
---|---|
利用料金の売上 | 6,480,000円 |
フードの売上 | 300,000円 |
売上合計 | 6,780,000円 |
経費(原価)項目 | 経費(原価)額 |
---|---|
賃料 | 1,400,000円 |
本の追加購入 | 120,000円 |
フード原価 | 90,000円 |
ドリンク原価 | 339,000円 |
人件費 | 1,440,000円 |
通信費 | 203,400円 |
光熱費 | 339,000円 |
雑費・消耗品費 | 406,800円 |
広告費 | 203,400円 |
毎月の償却 | 1,000,000円 |
原価合計 | 5,541,600円 |
【売上】6,780,000円-【経費】5,541,600円=【月間利益】1,238,400円
フランチャイズ展開を行っているコミックバスターは、加盟希望者向けに収支モデルを公開しています。
・店舗面積60坪
・座席数40席
・コミック15,000冊
・パソコン30台
・フリードリンク
売上項目 | 売上額 |
---|---|
月間売上額 | 450万円 |
経費(原価)項目 | 経費(原価)額 |
---|---|
仕入 | 86.4万円 |
人件費 | 120万円 |
家賃 | 60万円 |
ロイヤルティ | 13.5万円 |
その他経費 | 62.5万円 |
経費(原価)合計額 | 342.4万円 |
【売上】450万円-【経費】342.4万円=【月間利益】107.6万円
・店舗面積100坪
・座席数70席
・コミック20,000冊
・パソコン40台
・フリードリンク
売上項目 | 売上額 |
---|---|
月間売上額 | 720万円 |
経費(原価)項目 | 経費(原価)額 |
---|---|
仕入 | 138.2万円 |
人件費 | 160万円 |
家賃 | 100万円 |
ロイヤルティ | 21.6万円 |
その他経費 | 101.5万円 |
経費(原価)合計額 | 198.7万円 |
【売上】720万円-【経費】198.7万円=【月間利益】198.7万円
・店舗面積200坪
・座席数120席
・コミック30,000冊
・パソコン60台
・フリードリンク
・ビリヤード4台
・ダーツ4台
・カラオケ6室
・フードメニュー有り
売上項目 | 売上額 |
---|---|
月間売上額 | 880万円 |
経費(原価)項目 | 経費(原価)額 |
---|---|
仕入 | 154万円 |
人件費 | 180万円 |
家賃 | 160万円 |
ロイヤルティ | 26.4万円 |
その他経費 | 158万円 |
経費(原価)合計額 | 201.6万円 |
【売上】880万円-【経費】201.6万円=【月間利益】201.6万円
ネットカフェ・漫画喫茶経営を開業するにあたり、どの位の開業資金が必要になるのでしょうか?この点についてまとめています。
ミニマムコストで実施しようとする場合、下記の表を参考にしてください。
項目 | 初期投資額 |
---|---|
内装工事費 | 5,000,000円 |
外装工事費 | 250,000円 |
厨房設備工事費 | 1,200,000円 |
機械設備費(空調設備、レジなど) | 1,000,000円 |
什器・備品費 | 1,000,000円 |
パソコン・周辺機器 | 6,000,000円 |
漫画(12000,冊×200円) | 2,400,000円 |
その他 | 2,000,000円 |
合計 | 18,850,000円 |
項目 | 初期投資額 |
---|---|
広告宣伝費 | 300,000円 |
アルバイト募集費 | 200,000円 |
開業前人件費 | 500,000円 |
開業前賃借料 | 300,000円 |
その他 | 500,000円 |
合計 | 1,800,000円 |
【設備工事費等】18,850,000円+【開業費】1,800,000円=【合計】20,650,000円
最低でも2千万円の資金は用意しておきたいところです。
先述したコミックバスターにおける開業資金モデルは、下記の通りとなっています。
加盟金 | 2,000,000円 |
---|---|
開業準備料 | 600,000円 |
什器備品等 | 24,400,000円〜 |
保証金 | 1,000,000円 |
合計 | 28,000,000円〜 |
加盟金 | 2,000,000円 |
---|---|
開業準備料 | 1,000,000円 |
什器備品等 | 31,000,000円〜 |
保証金 | 1,000,000円 |
合計 | 35,000,000円〜 |
加盟金 | 2,000,000円 |
---|---|
開業準備料 | 1,000,000円 |
什器備品等 | 45,000,000円〜 |
保証金 | 1,000,000円 |
合計 | 50,000,000円〜 |
店舗の規模にもよりますがこれらの数値が示すように、必要となる開業資金は決して安いとはいえません。
その分大型のリターンを狙うビジネスモデルになります。
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インターネットカフェ・漫画喫茶を開業する際に必要な届け出や許可に関し、お伝えします。
飲食店の開業には食品衛生法および各自治体の条例で定められている営業許可が必要です。
食品衛生法でもネットカフェの場合には、メニュー数に応じて飲食店として申請を出すのか、喫茶店として申請を出すのかを検討します。
管轄の保健所に申請を行い、検査を受けて「基準に合致している」と認められる必要があります。
たとえば東京都では「営業許可申請書」と併せて「営業設備の大要」という書類を提出します。
営業許可が下りる基準や書類の記載方法などは、自治体により異なる場合はあるので、必ず管轄の保健所に確認してください。
ネットカフェ・漫画喫茶経営を成功させるために、押さえておくべきポイントをまとめています。
参考にしてください。
コストを抑えることは大切ですが、メリハリが必要です。
本棚や厨房器具、内装工事といった点はお金をかけなくても大丈夫です。
しかしながら肝心の漫画本にまでコスト削減を行うと、利用者は離れていきます。
中には業者向けに漫画本を格安で提供するサービスもありますが、人気のないタイトルばかりだったり、汚れている本だったりするケースが多いので注意しましょう。
自分がお客の立場になってみたら、おわかり頂けることでしょう。
人気漫画の最新刊が読みたいですし、汚れた本ばかりだと次は行きたくありません。
漫画本にはしっかりお金をかけて、ラインナップを充実させるべきです。
最近では日本中、世界中の人とゲームを通して交流を図れるオンラインゲームを楽しむ人が増加しています。
オンラインゲームが楽しめるような環境を構築することが、ネットカフェの集客には欠かせません。
漫画喫茶主体の店舗でもパソコンを提供して、オンラインゲーム利用の環境を整えるようにしましょう。
インターネットカフェの場合駅に近い好条件の店舗でなくとも、口コミで利用者を増やせるという特性があります。
そのため賃料が高い駅に近い店舗物件にこだわらなくても、リピート施策などを打ち出すことで、賃料が低い街の中に出店するという方法もあります。
それぞれの立地条件にあわせてサービス内容を変えれば、着実な集客につながるケースが多いのです。
たとえばネットカフェが最も多いのは繁華街です。
繁華街では若者を対象に、カフェ機能に重点を置いたファッショナブルな店舗が好まれます。
一方オフィス街の場合ビジネスマンを対象に、情報収集やメールのやり取りを気軽に利用できるよう、短時間の利用も想定した料金設定とするパターンが主流です。
このほか学生街では、マンガ喫茶並みの豊富なマンガを取りそろえることが欠かせません。
このように立地場所にふさわしいサービスを提供するお店にしましょう。
お伝えしたようにインターネットカフェ、漫画喫茶のお店は淘汰が進んでおり、個人経営ではなかなか成功が難しい局面にきています。
そのような状況下において、フランチャイズに加盟することも選択肢のひとつに入れておくと良いでしょう。
最終的には独立して開業することになったとしても、フランチャイズ展開を行っているチェーン店のサービスや収支モデルを研究するだけでも大いに勉強になります。
インターネットカフェ、漫画喫茶において、フランチャイズに加盟することのメリットとしては、次のような点が挙げられます。
・他店舗で既に実績が出ている運営ノウハウを利用出来る
・漫画本やPC設備など、提携先のベンダーから安く仕入れることが出来る
・本の盗難や紛失を防ぐ管理システムを導入出来る
・店舗スタッフの集客が容易に出来る
・運営オペレーションの研修を受けられる
・市場調査から出店までをサポートしてくれる
・すでに有名なブランドの場合、そのブランドで出店出来る
もちろんその対価としてロイヤリティを支払う必要はありますが、それを考慮しても収益を生みやすい十分なバックアップを得られる点は魅力です。
いずれにしろ下記のような独立・開業サイトを頻繁にチェックし、気になる会社があったら資料請求を行うことをオススメします。
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独立開業は人生において大きな決断です。
成功すればこれほど素晴らしいことはありません。しかし何事もリスクは潜んでいます。
万全の状態で参入するためにも、すでに成功している方からアドバイスをもらったりノウハウを学ぶようにしましょう。
そこでオススメなのが、ココナラというサービス。
ココナラではさまざまな分野で活躍している方の、スキルや知識を購入できます。
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・プロのコンサルタントが開業支援から経営助言致します(5,000円)
いずれも「開業のプロ」といえる方々ばかりであり、独学では決して学べない貴重な経験に基づいています。
とくに開業にあたってまだ不安要素を感じている方は、ぜひ自分に最適な販売者さんを見つけてみてください。
ネットカフェやマンガ喫茶は、今や日本全国いたるところに開設されています。
若者にとって「ネカフェ」は身近な存在となっており、一日中ネットゲームをして時間をつぶす人も少なくありません。
さらにインターネットによる情報収集やメールのやり取りが日常生活に欠かせなくなっているため、若者ばかりでなく幅広い世代に受け入れられるようになってきました。
DVD視聴サービスなども提供する複合カフェも増え、くつろぎの場として定着してきています。
最近は家族連れや女性だけでも気軽に入れるインターネットカフェも増えています。
しかしながらどの業態であれ「旨味がある事業」と判断されると参入が増え、やがてそれは飽和状態になり淘汰されるものです。
インターネットカフェ・漫画喫茶もまさに淘汰のフェーズに来ており、本当に利用者が満足出来るお店のみが生き残れるようになるでしょう。
ここで勝ち上がった所こそが、利益を総取りできるわけです。
一昔前はあまり清潔感がなく、男の利用客が多いイメージでしたが、そのイメージは今や払拭され、進化を続けています。
これからのインターネットカフェ・漫画喫茶経営には、今までの常識にはとらわれない創意工夫が必要であり、その分やりがいもあるといえるでしょう。
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