フランチャイズ経営を成功させるにあたり、フランチャイズ企業選びは非常に重要です。
フランチャイズ本部との契約は5年契約の所が多く、加盟後に「こんなはずではなかった」と思っても、もう後には戻れません。
またたとえ評判の良いフランチャイズ企業だったとしても、自分に合うかどうかはまた別の話。
自分の資質に最適なフランチャイズを選んでこそ、自分の能力を十分に発揮することができるのです。
このページでは、フランチャイズを決める際のポイントを、手順毎に解説していきます。
1から順に、読み飛ばすことなく読んでみてください。
目次
フランチャイズを選ぶ際に、多くの人が怠りがちなのが自己分析です。
何も考えずに、興味を持ったフランチャイズの資料を片っ端から取り寄せる人がいますが、このような行動は失敗の要因になり得ます。
「興味のある分野・会社だから」「今後儲かりそうな業種だから」といった短絡的な考え方だけで加盟してしまった場合、数多くの想定外な局面に見舞われることでしょう。
最初にやるべきことは自己分析をしっかりと行い、自分がベストなパフォーマンスを出せる業種を可能な限り客観的に選択することなのです。
自己分析を行う際は、ノートとペン、もしくはパソコンを開いて自分としっかり向き合ってみましょう。自己分析では、以下5つの点を深掘りしていきます。
独立してフランチャイズに加盟をすると決めたからには当然、何かしらの決める理由があったわけです。
その理由こそが今後守っていくべきことであり、大きな決断をするたびに価値観の軸となります。
今後のキャリアにおいて、「守るべき価値観」を明確にしましょう。
また同時に将来の夢においても、現時点でクリアにしておきます。
動機と将来の夢はリンクしますが、10年後、20年後の自分を想定してどのようなキャリア、人生を歩んでいるのかを書き出します。
自分の能力や経験を次の仕事で大いに発揮させるためにも、自分のこれまでのキャリアを見つめなおし、能力分析を行います。
具体的には、以下2つの作業を行います。
これまでのキャリアの実績を検証します。まずは、以下の項目を抜き出してみましょう。
経理や総務、人事など仕事の特性上、数値化出来ないケース。主観を入れてもよいので、数値化を試みます。
会社員時代の人事評価項目などを参考にしてみてください。
列挙したこれらの項目を、時系列に沿って数値を入れて評価をしてみるのです。
各項目の数値が時間の経過と共に上昇しているのか、それとも下がっていくのかを視覚化させます。その上で、上昇要因と下落要因をそれぞれ挙げていきます。
営業の売上達成率は70%→75%→80%→85%→90%と毎年上昇していた。
上昇要因:顧客リストをランク分けし、大きな売上が見込める顧客から優先的・効率的に営業をかけていった。
SWOT分析をご存じの方も多い事でしょう。強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)を書き出すことで、今後の方策を導き出す材料となるのです。
先ほどの作業でクリアになった、自分の得意分野と苦手分野をSWOT分析に落とし込んでみます。
具体的には以下のように記入を進めていきます。
強み(自分の経験) | 顧客リストをランク分けし、優先順位をつけて営業を行ったことで、営業成績が伸びた |
---|---|
弱み(自分の経験) | 管理職になった時、部下をうまくまとめきれず、ライバル企業に業績を抜かれた |
機会(外部要因) | 高齢化に伴い、シニア向け商品の売り上げが順調に伸びた |
脅威(外部要因) | ネット通販に顧客を取られ、店舗にいた常連客が減少した |
このように分類することで、キャリアの中で評価された成果が実力なのか、それとも外的要因によるものなのかを把握することが出来ます。
フランチャイズに参入する業種を選ぶ際は、強み(S)に注目して、自分の強みを発揮出来る分野に絞っていくのです。
趣味や関心事、仕事に関係なく取得した資格などを今一度、振り返ります。
これらは仕事とは異なり、自分の意志で行動した事。「好きな事に対してどれだけ熱中できるか」を把握するのです。
これから取り組む仕事の中に好きになる要素があれば、より熱意を持って仕事に打ち込めることでしょう。一方、起業後間もない頃はプライベートの時間は削られます。
選択する業務内容によって、プライベートとの関わり方がどう変化するかを知る材料となります。
フランチャイズに加盟するにあたって、必要な開業資金の相場は業種毎に異なります。例えば、店舗を持つか自宅内で開業するかだけでも大きな差があります。
自己分析の段階で、資金面についてもしっかりと把握しておきましょう。
資金面においては、以下2つの点を確認するようにします。
普段の生活費を月次・年次で把握します。起業後に毎月どの位利益を出す必要があるのかを知ることは、フランチャイズ会社選びに影響をもたらします。
自己資金をベースに、他の手段も加えてどの位のお金を集められるかを把握します。
自己資金以外は現時点で不明確な部分もあるので、自己資金だけでもかまいません。その他の融資額としては、自己資金の2〜3倍が現実的なラインとなります。
お伝えした4つのポイントをベースに参入業種の絞込を行っていきます。この段階では、複数程度まで絞り込むことでも良いでしょう。
自己分析を元に考慮する点は以下の通りです。
参入業種の候補を絞りこめた所で、次のステップに移ります。
候補となる業種の中から、加盟する検討余地がある企業の募集資料を取り寄せます。
資料の取り寄せ方はいくつかありますが、普段からインターネットを活用している皆さんであれば、専用の「FC加盟募集資料お取り寄せサイト」を活用するのが最適です。
FC加盟店募集資料お取り寄せサイトでは、FC加盟店を募集している企業の最新リストが掲載されています。
数多くの企業が常時掲載されていますが、検索機能を利用して業種を絞り込めます。
興味のある企業を見つけたら、まとめてチェックすることで一括で資料を申込むことが出来ます。
FC加盟店募集資料お取り寄せサイトは、以下3つを利用すれば、ほぼ全ての企業を網羅出来ます。
運営実績15年以上のノウハウがあり、日本最大級のフランチャイズ募集情報を保有しています。本部で厳選した、オススメのFC企業を案内。
年収1000万円も目指せる、FC募集企業を豊富に用意。「低コストで安定した高収入を得たい」という方に向け、オススメのFC企業を紹介しています。
成長力の高いフランチャイズ本部をセレクトして、簡単に比較出来るようにしているサービス。常時100件以上のフランチャイズが掲載されています。
加盟の検討を行うにあたり、10社以上の資料を取り寄せて吟味するのが一般的です。
フランチャイズ企業からは以下のような資料が一式届きます。
このように、資料からは様々な情報を得ることが出来ます。
その中から主に以下5つの点に注目して、次のステップである面談にすすむ企業を選定していきます。
経営トップによるメッセージからは、社会の中でどのように貢献しようと考えているのかを伺い知ることが出来ます。
今後長期にわたりビジネスパートナーとなるにあたり、信頼出来る企業か、理念に共感出来るかを見極めます。
自らが自信を持って薦められる商品・サービスかを見極めます。その際は、以下3つの観点から評価しましょう。
フランチャイズ加盟後に受けられるサポートレベルは、企業によって差があります。
特に未経験の業界だったとすればゼロの状態から学ことも多く、本部の手厚いサポートがなければ経営は立ちいかなくなってしまいます。
以下の3点をチェックして、満足出来るサービスを受けられるか確認しましょう。
加盟後は加盟金や研修費、毎月支払うロイヤリティが発生することになります。これらの金額が相場やサポート内容から見て、適正か否かが一つのチェックポイントです。
またロイヤリティ込みの収益モデルも確認しましょう。
資料に掲載されている収益モデルは、実績に即しているかそれとも希望的観測に基づいているのかを見極めなければいけません。
そのため、以下の点を意識してチェックしていきます。疑問が残る場合はメモをして、フランチャイズ本部との面談で質問をするようにします。
資料では、成功している加盟店の人の声を掲載しています。掲載している声から、どの部分が評価されているのかを整理しておきましょう。
面談の際に、「パンフレットでは、加盟店の方はこう言っていましたよね?」といった感じで、ヒアリングをして加盟するメリットを深掘りします。
そしてそのメリットが、自分が加盟した場合にも享受出来るかを判断しましょう。
資料を確認して、さらに企業の絞込みを行った後は、フランチャイズ本部との面談を行います。ここでさらに絞込みをします。
基本的には先述した5つのチェックポイントをより正確に把握するのが目的ですが、加えて次の5つに関してもヒアリングしましょう。
加盟後のビジネス展開を、よりリアルに知ることが必要になっていきます。
提供しているフランチャイズビジネスが10年後、20年後も成長を続けていけるかどうかを見極めます。
事業開始から長期的短期的に、これまでどのようなビジョンで発展してきたのか。そして、現段階においてビジョンの中のどの立ち位置にいるのかを確認します。
これからの事業計画に無理な点はないか、今後のビジョンの実現可能性は妥当かを判断していきましょう。
参入する業種の市場規模が、どのようになっているのか。そして、将来的に成長を続けられる市場かを把握します。
市場の最新トレンドも併せて確認し、当該企業が生き残れるか否かも判断していきます。
また、マーケットの現状を聞くのは、当該企業が正確に市場を把握しているかを見極める意味もあります。
正確に把握しているのであれば、今後の事業方針も市場動向にあわせて練られている可能性が高く、信頼出来る企業のバロメーターとなり得ます。
どの企業であっても、今後の業績を脅かすライバル企業が存在します。
ライバル企業の存在とその対策を聞くことで、ライバル分析を行っている企業か否かを確認することが出来ます。
予め自分なりにライバル企業を調べて、当該企業のライバル対策が納得がいく内容かどうかを判断出来るようにしておくとベストです。
資料では、知り得なかった詳細を確認します。例えば、以下のような内容を聞いてみましょう。
加盟後に後悔しないように、あらゆる事を想定しておくことです。
開業後も、定期的にフランチャイズ本部からのサポートが入るのが一般的です。そして、サポートを行う人はスーパーバイザーと呼ばれます。
例えば、オープン後目標通りに売上が伸びなかった場合、スーパーバイザーが適正にサポートしてくれるか否かを把握することは非常に重要です。
以下の点を聞いてみましょう。
これらのポイントを基に、自分が想定しているレベルをクリアしているか判断していきます。
フランチャイズ加盟後に後悔しないように、疑問は面談時に全てクリア出来るようにしましょう。
加盟候補となるフランチャイズ企業において、飲食店など店舗型ビジネスを営む場合は必ず店舗見学を依頼しましょう。
また、無店舗型の場合も既存の加盟店のオーナーの方に会えるようお願いをするべきです。
既に加盟して経営を行っている人の意見は非常に貴重であり、それぞれ事情も異なるため、3店舗の紹介をお願いするのがベストです。
余裕があれば、他にも出来るだけ多くの店舗に行き、お客さんとしてサービスを受けるようにしましょう。
それぞれのお店の商品、接客、クリンネスのレベルが同じかどうかは、フランチャイズ本部からの指導が行き届いているか否かの試金石になります。
また、繁盛店や不人気店など客入りがお店ごとに異なっているようであれば、何が要因になっているのか自分でも分析。フランチャイズ本部にも聞いてみると良いでしょう。
フランチャイズ加盟店からは以下の点をヒアリングしてみましょう。
実際の現場とフランチャイズ本部の思惑とは、多少なりともズレがあるものです。
現場に立っている人の空気感や雰囲気を肌で感じて、自分がお相手の加盟店のようになれるのか、お相手のような人になれるのかを見極めましょう。
ステップ4までで判断材料がひととおり揃いました。後は最終的にどのフランチャイズに加盟するかを判断することになります。
ここで最後に、分析する項目をまとめています。後々後悔することがないように、納得するまで徹底的に検討することが肝心です。
加盟後は長い期間ビジネスパートナーとなり、共に歩むことになります。
経営トップが経営能力に優れているか、信頼に足る人間性を備わっているかを見極めます。
一番良いのは直接経営者と会って話をすることです。ただし大企業の場合は難しい点もあるので、著書やインタビュー記事があるようなら取り寄せてチェックするようにしましょう。
注意したいのが、現時点で大きな成長を遂げている企業であっても経営者本人の能力ではなく、たまたま時流に乗れているだけという可能性も強いです。
そのような時代の変化に耐えられる経営能力の持ち主かどうかという点は、特に注目しておきたい所です。
肌感覚で感じるしか方法がないのですが、社風から今後の成長度合いを読み取ります。
フランチャイズ加盟企業を検討する際、何度かフランチャイズ企業に足を運ぶことになりますが、徐々にそれぞれの会社特有の雰囲気がわかるようになっていきます。
注視すべきは各社員の振る舞いです。
人間関係の風通しの良さ、社員が生き生きと働いているか、言葉遣い、社員間のやりとり、表情、しぐさを五感をフル活用させて感じ取ってみましょう。
候補となっている複数の企業の中で、今後の成長性を感じさせてくれる雰囲気を一番感じ取れる会社を選んでいくべきです。
事業を継続するには、利益を生み出し続けなければいけません。よって、非常に重要な項目です。
少なくとも以下の点については必ず把握するようにしましょう。
ここでチェックするのは、フランチャイズ企業の立地調査の精度です。
既存の加盟店の中で、フランチャイズ企業の立地調査を元に場所を決めて店舗があれば確認したいところ。
商圏調査が出した結果に対し、計画通りの売上で推移していたかどうかを既存のフランチャイズ加盟店からヒアリングをするのです。
また加盟店の廃業率も、参考になります。
精度が他のフランチャイズに比べてあまりにも悪いようであれば、候補から外すことを考えましょう。
フランチャイズ企業の現状を数字に基づき、客観的に把握するのであれば、会社決算から業績を確認するのが一番です。
自分で調べられる方法として「法定開示書面」をチェックする事が挙げられます。
フランチャイズ本部は、中小小売商業振興法という法律により、加盟希望者に対して、契約を結ぶ前に法定開示書面を交付して説明することが義務付けられています。
法定開示書面で記載するべき項目も定められており、その項目で業績がわかるようになっています。
また、比較材料としてライバル企業の業績も確認するようにしましょう。
直営店舗とフランチャイズ店舗の比率を時系列で確認すると、様々な情報を読み取ることが出来ます。
フランチャイズ店舗の比率が緩やかに高まっているようであれば、フランチャイズ展開が順調に行っている証といえます。
一方、あまり比率が伸びていないのであればう、まくいっていない可能性が高いです。業績不振のフランチャイズ店舗がある場合、契約を打ち切り、直営店に切り替えるのが一般的であるためです。
また、フランチャイズ店舗比率が急激に高まっているようであれば、今後どこかで無理にすすめたしわ寄せが起きる可能性もあり、注意が必要です。
フランチャイズ店舗だけの推移をチェックしても様々なことが分かります。
特に注意したいのが増加する地域の偏り。
商圏に裏付けた出店であれば良いのですが、狭いエリア内で店舗が増えるようであれば、今後別の加盟店が競合になるリスクも考えられます。
法人契約と個人契約でのそれぞれの増減も含め、適性なルールに沿って出店を増やしているのかどうかを確認しましょう。
特に未経験者の方は、念入りに確認しましょう。研修は当然のこととして、開業後のスーパーバイザーのサポートを重視しましょう。
確認すべき点は以下の通りです。
担当になるスーパーバイザーとの相性や信頼出来る人物か否かという点も大切です。
会社によっては時代の変化に追いつくことが出来ず、衰退する所があります。もし、これから加盟するフランチャイズ企業がそのような体質であったら将来は不安です。
フランチャイズ企業が、時代の変化に耐えうる体質を備えているか否かを確認しましょう。
候補となる企業が、以下3つのうちいずれかに当てはまっているかどうかチェックしてみてください。
今後の市場規模やライバル企業に関する対策はどのようになっているのか?
不安な点があるようであれば、全てフランチャイズ企業に疑問をぶつけてみて、判断していきましょう。
ご覧頂くとおわかり頂けると思いますが、フランチャイズ経営で成功するには実に多岐にわたる視点から会社選びを行う必要があります。
最終的な判断を下すまで、半年間はかかる覚悟で臨むようにしましょう。確かに大変ではありますが、今後ビジネスとして長期間取り組むためには当然の作業であるともいえます
とにかく避けたいのが、中途半端な調査で選択してしまい、「こんなはずではなかった!」とならないようにすることです。
自分の適性に加えて、フランチャイズ企業の体質も大いに関係していきます。
特に5年後、10年後と長期的な視野を見据えて選んでみる事です。短期的な業績だけで選ばないという事でもあります。
自分自身が納得するまで、フランチャイズ企業選びを続けていきましょう。
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